アレルギー性鼻炎・花粉症

子どものアレルギー性鼻炎・花粉症

子どものアレルギー性鼻炎・花粉症アレルギー性鼻炎には、花粉症などの特定の季節に発症する季節性のものと、ダニやハウスダストなどが原因となって発症する通年性のものがあります。原因物質が鼻の粘膜に付着し、アレルギー反応が惹起されることで症状が出現します。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが3大症状ですが、目・耳・のどのかゆみ、食欲不振、頭痛といった症状を伴うこともあります。日常生活に悪影響を及ぼし、仕事、学業、運動などに支障をきたします。
風邪と異なり、アレルギー性鼻炎の鼻水は透明でサラサラした状態であることが特徴です。また、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎を併発することもあり、注意が必要です。近年では、通年性アレルギーと花粉症の両方を持つ人や、複数の花粉に反応する人が増えています。

花粉症の治療開始時期について

花粉症の治療は、花粉の飛散が始まる2週間くらい前から開始することが効果的です。
花粉症症状が出る前から治療を開始することで、シーズンを通して症状を緩和することが期待できます。
例年花粉症症状に悩まされている方は、ぜひ早めに治療を開始することをおすすめいたします。

アレルギー性鼻炎・花粉症の診断

子どものアレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎の診断鼻水やくしゃみといった症状は目に見えて確認しやすいですが、鼻づまりの症状はわかりづらいと言われています。そのため、口呼吸をしている、鼻をすする、目や鼻を頻繁に擦るといった行動が見られたら、鼻づまりがないかもあわせて確認すると良いでしょう。
血液検査でダニやハウスダスト、花粉などへ反応するIgE抗体の値を調べることで、原因物質を特定することができます。その他必要に応じて皮膚テスト(プリックテスト)を行うこともあります。

花粉症の診断について

花粉症症状をはじめとしたアレルギー性鼻炎の症状は、鼻風邪をひいているだけなのか、症状だけでは判断に悩む場合があります。自分が花粉症なのかどうかはっきりせず、もやもやされている方には、診断の一助として血液検査が可能です。
当院では、お子様だけでなく大人の方の花粉症診療も行っておりますので、ご希望の方はぜひご相談ください。

アレルギー性鼻炎の治療

日常生活に影響がでない状態を目指し、治療を行います。治療法としては、

  1. アレルゲン(原因物質)の除去と回避、
  2. 薬物療法、
  3. アレルゲン免疫療法、
  4. 手術療法

があります。どの方法を選択するかは、症状のタイプや重症度、ライフスタイルに合わせて考えます。

アレルゲン(原因物質)の除去・回避

鼻に入るアレルゲンの量を減らすことが、治療の第一歩です。

ダニの除去のポイント
  • 内の掃除は、掃除機をゆっくり動かし、1畳あたり30秒以上の時間をかけて週に2回以上行う。
  • 布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。
  • 寝具はこまめに外に干したり、掃除機でダニの死骸を除去して清潔に保つ。
  • ベッドマット、ふとん、枕にダニ防止カバーをかける。
  • 部屋の高温多湿を避ける。
  • 室内・寝具の清潔を心がける。
花粉の回避のポイント
  • 飛散情報に注意し、飛散の多いときの外出を控える。
  • 飛散の多いときは、窓や戸を閉めておく。
  • 洗濯物は外に干さない。
  • 外出時にマスクやメガネを着用する。
  • 外出時は、毛羽立った毛織り物などのコートの使用は避ける
  • 帰宅時は、衣服や髪を良く払ってから入室し、洗顔、うがいをして、鼻をかむ。
  • こまめに掃除をする。

薬物療法

基本的には、抗ヒスタミン薬とロイコトリエン受容体拮抗薬による薬物療法があります。
また、鼻の粘膜のむくみによって鼻閉が起きている場合には、ステロイド薬を鼻の中に噴霧することも有効です。眼の痒みには抗ヒスタミン薬の点眼薬や、ステロイド点眼薬を使用します。
過去に治療を受けてきた中で、効果を実感できず悩まされてきた方、副作用の眠気に悩まされる方もいらっしゃると思います。抗ヒスタミン薬の内服薬には、様々な種類がありますので、薬剤の構造が異なるタイプを選択することで、治療効果が得られることもあります。
花粉症治療でお悩みの方は、ぜひご相談ください。

免疫療法

減感作療法とも呼ばれており、体内にアレルゲンを少しずつ投与することで、身体を慣らして症状を和らげることを目指します。長期間(3〜5年)にわたる投与が必要となりますが、治療の中で唯一、アレルギーを治す可能性もあり、約70%の人に有効と考えられています。
従来は皮下注射によるアレルゲンの投与(皮下免疫療法)が一般的な方法でしたが、最近では舌下免疫療法が主流となり、副作用のリスクや通院回数など患者様の負担が軽くなっています。また、5歳以上の子どもでダニアレルギーとスギ花粉症については、保険適用で舌下免疫療法を実施することが可能です。当院でも対応可能ですので、ご希望の方はぜひ一度ご相談ください。

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よくある質問

アレルギー性鼻炎はどんな病気か教えてください。

人間の鼻に異物(ダニやハウスダスト、花粉など)が入ると、くしゃみで追い出し、鼻水で洗い流し、鼻づまりで中に入りにくくする反応が起きます。一連の反応が強く現れる状態をアレルギー性鼻炎と呼んでいます。鼻づまりのために口呼吸をするようになり、のどの渇きや痛み、全身の倦怠感、イライラ、不眠、集中力の低下、学業や仕事中の居眠りなどといったように、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。

アレルギー性鼻炎は完治しますか?

継続的な治療や生活環境や生活習慣の見直しによって症状を軽減させることは可能です。近年では舌下免疫療法により比較的安全に、高い効果が得られるケースが増えています。

治療方法について教えてください。

鼻水の吸引、ステロイドの点鼻や抗ヒスタミン薬の内服治療を行います。スギ花粉症とダニアレルギーに対しては、舌下免疫療法を実施することで高い効果が期待できます。

薬物療法以外の治療法はありますか?

鼻粘膜を薬剤やレーザーで焼灼する治療や、重度の鼻づまりの改善のため鼻の左右を仕切っている鼻中隔を真っすぐに正し、手術によって腫れあがった鼻粘膜を切除することもあります。

予防のために自分でできることはありますか?

最も効果的な方法としては、アレルゲンとの接触を避けることです。原因がダニやハウスダストであれば、定期的な部屋の掃除だけでなく、ダニの発生頻度が高い敷物やカーペットの使用は控えた方が良いでしょう。また、花粉症の場合は、花粉が飛散しやすい風が強い日や晴れた日の外出は避け、外出する際もメガネやマスクの着用を徹底し、家にいる時もなるべく窓を開けないようにしましょう。花粉症の治療は、花粉の飛散がピークになる時期の少し前から始めておくと症状が軽度で済む場合もあります。さらに、規則正しい生活リズムを意識して体調に気を付けることも重要となります。

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