花粉症 咳、熱、喘息

子どもの花粉症の特徴

花粉症大人と同様にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目や鼻のかゆみ、咳(喘息)といった症状が起こります。特に、幼児はこのような症状を自分の言葉で説明できないため、保護者の方がしっかりと状態を確認する必要があります。春先に発熱がなく鼻水やくしゃみの症状が長く続いていると感じたら、花粉症の可能性があります。
花粉症症状が、睡眠や学業、心身の成長や発達に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

子どもの花粉症を疑うべき症状

  • しきりに鼻をすする、こする
  • 口で呼吸している
  • いびきをかいている
  • 目を掻いている など

鼻づまりや目・鼻のかゆみといった症状によって睡眠の質が低下すると、子どもが日中ぼんやりしている、元気がない、イライラして落ち着かない、といったように見えることもあります。

子どもの花粉症の対処法

大人と同様にできるだけ花粉との接触を避けることが原則となります。外出時にはメガネやマスクを着用し、目や鼻に花粉がなるべく入らないように工夫することで、症状が軽減されます。また、帰宅時にうがい、手洗い、洗顔などを習慣づけることも効果的です。
花粉の飛散量が増える時期は、部屋の掃除を定期的に行いましょう。布団や洗濯物は外に干さず、また室内に空気清浄機を設置すると良いでしょう。空気清浄機は枕元に設置して24時間電源をつけておくことをお勧めします。

花粉症の原因

スギだけでなく、ヒノキ、カモガヤ、シラカバ、秋に飛散量が増えるヨモギ、カナムグラ、ブタクサなども代表的です。なお、花粉症は花粉が飛散するシーズンのみ症状が現れるという特徴があります。

花粉症

花粉症と風邪の見分け方

くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状は風邪でも起こり得るものです。しかし、風邪はウイルス感染が原因となる感染症であるのに対して、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎は、鼻粘膜に付着したアレルゲンに対する免疫反応が過剰に働くことが原因となります。したがって、風邪と花粉症は発症原因や治療法が異なります。
症状だけでなく、風邪と花粉症の違いは、くしゃみの出方、鼻水の状態、症状が頻発する時間帯などにも特徴があります。

アレルギー性鼻炎 風邪
鼻水の状態 さらさらで透明 ネバネバしていて黄色っぽい
くしゃみの出かた 花粉やハウスダストなどのアレルゲンが鼻の中に侵入した途端に出る 冷えた空気を吸った時に1回~数回出る
症状が強くなる時間帯 朝方、花粉の飛散量が増える昼頃〜夕方にかけて強くなる。 1日中同じくらいの強さで症状が現れる。
症状が続く期間 花粉の飛散量が増える時期に2週間以上続く。 数日間続く。

くしゃみ、 鼻水、
鼻づまり 以外の症状

アレルギー性結膜炎によって目のかゆみなどが起こる。
その他、咳やのどがイガイガするように感じる咽喉頭違和感、倦怠感や頭痛といった症状が現れる。発熱することは稀。
咳、のどの痛み、痰、発熱、悪寒が現れる。

花粉症と喘息の関係

喘息喘息とは、アレルギーが原因となる炎症が気道で起こり、些細な刺激にも過剰に反応して咳やゼーゼーとした苦しい呼吸になる疾患です。小児の喘息の70~90%がアトピー性の喘息(花粉やダニ、カビ、ペットなどのアレルゲンに過剰に反応するタイプ)だと考えられています。したがって、花粉症の症状が出る時期は喘息の症状も悪化しやすいと考えられています。
また小児の喘息の約5割は鼻炎を合併していると言われており、喘息だけでなく鼻炎についても症状をコントロールする必要があります。
鼻炎の患者様で咳の症状がある方は、気道にもアレルギーが原因の炎症が起きている可能性がありますので、吸入薬などによる治療を受けることをお勧めいたします。

花粉症の治療開始の時期

花粉の飛散量が増える少し前から治療に取り組むことで、ピークとなる時期に症状が軽減される可能性があります。重症化すると炎症の抑制が困難になるため、スギ花粉の飛散量が増える前に、なるべく早く(関東であれば1月末ごろが目安)から薬物療法を始めると良いでしょう。

花粉症の治療

抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の内服薬と併行して、点眼薬や点鼻薬を使用することが有効です。
内服薬としては、第2世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬などが挙げられますが、薬に含まれる成分によっては使用できない年齢の子どももいます。
スギ花粉症であれば、飛散が始まるより少し早い時期から治療を開始することが望ましいので、日本気象協会が発表している花粉情報も参考にして、適切なタイミングで治療を始めるようにしましょう。

舌下免疫療法

診察アレルギー原因物質が配合された内服薬を舌下に置くことで、原因物質に対して徐々に身体を慣らしていく治療法です。治療期間は長期にわたることが多いですが、症状の改善だけでなく唯一完治を目指すことが可能な治療法です。
従来は皮下注射による治療法が一般的でしたが、最近では治療の痛みや副作用がなるべく起きない方法で、通院回数も少なくて済む舌下免疫療法が注目されています。ダニやスギ花粉のアレルギーであれば保険適用で治療が可能です。5歳以上のお子さんが対象となります。
当院では、子どもだけでなく保護者の方への治療も同時にご案内できますので、ぜひ一度ご相談ください。

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