小児アレルギー

小児のアレルギー疾患について

小児のアレルギー疾患についてアレルギー疾患は、年齢によって発症しやすいアレルギーが異なるという特徴があります。アレルギーになりやすい素因を持った患者さんの多くは、乳児期にアトピー性皮膚炎を最初に発症し、その後、食物アレルギー喘息アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎というように発症していく傾向があります。必ずしも全ての人がこのような病気の流れになるわけではありませんが、様々なアレルギー疾患が年齢によって次々と発症してくる様子を、音楽隊の行進(マーチ)になぞらえて「アレルギーマーチ」と呼んでいます。
近年、生後早期から皮膚の保湿をしっかりと行うことで、アトピー性皮膚炎食物アレルギーの予防につながる、ということがわかってきました。
当院では、乳時期の皮膚状態を良好に保ち、特にアレルギー素因のあるお子さんの発症予防に力を入れています。
丁寧でわかりやすく、続けやすいスキンケアのコツをお教えいたします。ぜひ一度ご相談ください。

アトピー性皮膚炎

皮膚に炎症や湿疹が起こって、激しいかゆみを伴い、症状は改善と悪化を繰り返して慢性化する特徴があります。生まれつきアレルギーの素因があり、皮膚のバリア機能の低下やダニやハウスダストによる刺激といった幾つかの要因が合わさって発症すると言われています。
かゆみを感じる神経細胞が皮膚の表面まで伸びてきて、よりかゆみを感じやすい状態になっており、掻くことでさらに皮膚のバリア機能が低下するという悪循環に陥ります。
治療法としては、

  1. ステロイド外用薬を中心とした薬物療法
  2. スキンケア(皮膚の洗浄と絶え間ない保湿)
  3. 環境整備(環境中の悪化因子を見つけ、できる限り排除すること)

の3本柱が基本となり、どれも大切で欠かせません。
当院では外用薬の種類や強さ、塗布量や頻度、使用期間などを、わかりやすく具体的にお伝えします。毎日ケアを続けることは大変ですが、患者さまが続けやすい方法をお示しし、効果を実感することで継続的に皮膚状態をコントロールしていくことに力を入れています。

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食物アレルギー

食物アレルギー特定の食物の摂取が原因となりアレルギー症状が起こります。また、症状のタイプは、原因となる食物の摂取から30分〜2時間程度で症状が起こる即時型、そして、数時間後に症状が起こる遅延型があります。乳幼児は、鶏卵、乳、小麦が原因食品である多く、成長に伴って果物、そば、甲殻類なども原因となり得ます。食物アレルギーの評価や診断は慎重に行う必要があり、「疑わしいから」「心配だから」と言った理由での不必要な食物除去は避けなければなりません。
当院では、アレルギーの検査・診断・治療の体制を整えております。ケースによっては外来での食物経口負荷試験も可能です。当院で対応の難しい、リスクの高いケースは、連携医療機関へご紹介いたします。まずはぜひ一度ご相談ください。

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気管支喘息

気管支の慢性的な炎症によって、気管支が細くなり呼吸が苦しくなる疾患です。発作が起きている(ゼーゼーする、呼吸が苦しい、咳が止まらないなど)時だけが病気ではなく、慢性的な炎症を抑えるため、発作が起きていない時にも治療を続けて発作を予防していく必要があります。発作時にだけ気管支拡張薬で対応するのは本質的な治療ではなく、むしろ予後を悪化させることもあります。
当院では、呼吸機能検査(スパイロメトリー)及び呼気一酸化窒素測定器を導入し、より正確な気管支喘息の診断と治療管理に努めています。

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アレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎・花粉症アレルギー性鼻炎は、スギやヒノキなどの花粉が原因となる季節性のもの、ダニやハウスダストなどが原因となる通年性のものに分けられ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。なお、目に症状が現れるものはアレルギー性結膜炎と呼ばれています。基本的な治療としては、アレルギーの原因物質との接触を回避し、点鼻薬・点眼薬の使用、抗アレルギー薬内服を行っていきます。
また、近年、舌下免疫療法によってスギ花粉やダニが原因となるアレルギー性鼻炎の治療を効果的に行うことも可能となっています。舌下免疫療法は長期的に服用を継続していく必要があります。まずはご相談ください。

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アレルギー性結膜炎

目の結膜や瞼の裏側にダニや花粉が付着することで、目ヤニ、かゆみ、充血、涙が多くなるといった症状が現れます。基本的には問診による診断を行いますが、必要に応じて血液検査を実施する場合があります。花粉が原因となっている場合は、花粉の飛散が本格的になる前から治療を開始することが有効です。抗アレルギー点眼薬や、ステロイド点眼薬での治療が一般的です。

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